まだ、混雑もしていない電車で座っていると、目の前にお年を召した男性がピンポイントで目の前に立ってきた。
わざわざ、他でもないオレの前に立ったのだ。
当然、

「座りますか?」 

と聞いたのだが、その老紳士は

「いや、いい。」( ̄∧ ̄)

と素気なく返答し、相変わらず、オレの前に立ちつづけるのだ。いや、実際ほんの少しだけ(正確には半歩)横にずれたのだが。

次の駅でドバッと人が流れ込んできたにもかかわらず、予想通り俺の周りには奇妙なオープンスペースができ、
そして誰も裏を取ろうという素振りさえ見せない。

きっとやつらの心の中はこうだ:
よしんば、あそこの席が空いたとしても、あの御老人を差し置いて自分が座ることはできん…つーか、座ったら冷たい視線が注がれるに決まっている…

そして、その冷たい視線はオレに注がれているというわけだ。
何も事情を知らないくせに、だ。

世の中の電車を利用しているご老人どもよ、座りたいのなら、シルバーシートで狸寝入りこいてるバカ学生(あ、でも今は夏休みか…)とその隣で同じくよだれを垂らして眠る面の皮の厚いサラリーマンの前で、堂々と席を譲れと言うべきなのだ、きっと。プライドが邪魔してそれが出来なのなら、普通席に座っている奴の前で、思わせぶりな振りをするのくらいはやめ給へ。

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