お茶屋は、ニジヤのすぐ隣、しかし買い物に来る人達の視線とは反対側の場所にある。アジア系食品やレストランが立ち並ぶコンボイSTの一角だ。開店したばかり(4週間前)で、まだまだ認知度は低く、もっぱら若い客層が集まる場所を嫌うビジネスマンたちがミーティングを開くのに利用している。

店に行き、エプロンをつけ、レジにある現金を数え、前のキャッシャーが帳簿に記した金額に間違いがないか確かめる。シロップ、ミルク、氷が十分にあるか確かめ、流しに洗い残しのグラスがあればそれを洗う。

今日は昼からきっちり3時間働いた。といっても、入ってくる客はまばらで、まるでよく晴れて暖かい、波が無い日のよう。カウンター越しに出入り口の向こう側を覗き込む。とてもよく晴れていて、日差しはとても柔らかい。
たまに吹く風は心なしか強めで、店の外に置いてあるチラシ(メニュー)をチリヂリに吹き飛ばす度に、外に拾いに出ねばならなかった。

オーナーの知り合いらしい客が数人、ランチをto goでオーダーしにきた女性、現金の持ち合わせがないと慌てふためくアメリカ人… お茶の売り上げというよりも、フードのほうがよく出ていた。店でフードを食べるということはチップが貰えるとことを意味するが、アジア人はチップを出す習慣が無いので、あまり期待しないことにしている。

あがる前に、もう一度、総売上とレジの金額が合うかを確かめる。お客がいないのでゆっくり何回も数えなおし、マネージャーのOKで、今日の仕事は終わる。

昨日ケースで買ったビールを冷蔵庫に入れておいた。シャワーを浴びた後に一本取り出し、栓を開ける。肩に入っていた力が抜けていくのを感じる。
この前に書いた原稿は、交換日記に移した。飲んでいる方がいい文章が書けそうな気がするのは気のせいだろうか。

酔いどれのライター、ここに誕生す。

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