カジノ旅行記

2003年12月30日
昼ころ、カジノに行かないかと誘われた。サンディエゴにあることは
知っていたが、行ったことは一度もない。どうしてもベガスやリノのカジノに
見劣りするような印象があるからだ。ただ誘ってきた友人が、CPAの勉強を
共にして以来、全く顔を会わせる機会がなく、最近の暇をもてあましている
状況を考えれば、断る理由はなかった。

そこは、意外に近く、車で半時間ほどのところにある。行く途中の道は、
この前の山火事の傷跡と、つい最近起きた土石流による二次災害の有様を
生々しく通行者たちにみせていた。

対称的に、巨大なカジノとホテルの周りは青々とした芝生が刈り込まれ、
それまでの悪路が悪夢だったのかと思うほど、きれいに舗装されていた。

その費用は殆どここで勝負を挑み、敗れていった者たちの財によるのだろう
そんなことを考えながらホテルの入り口からカジノへと向かった。
確かにベガスの華やかさには足元にも及ばない。むしろ比べる事自体が
間違っているのだろう。だが、巨大なスペースの中にいくつものテーブルや
スロット台が迷路のように張り巡らされており、見るものを圧倒させる。

そこではいたるところに賭けに興じた人々の姿を見ることができた。
明らかに軍資金が不足していたので、時間潰しにスロットをした後、
テーブルでディーラーとプレーヤーの独特な緊張感とギャンブルする
心理状態を観察することにした。プレーヤーの中には、明らかに普通でない
金銭感覚の持ち主達がいる。彼らの、目を疑うほどのチップと掛け金には
正直ありえないの連続だが、それもしばらく観ていると慣れてしまい、また
勝負のあいだの緊張感に思考が戻る。カジノで一発大きく稼ごうとしたり、
負けが混むのが怖い、もしくは金の損失に対して我慢ならない人間は、
カジノに行ってはいけない。

なぜなら、彼らは(ほぼ)絶対に勝って帰ることがないからだ。
気の毒といえば気の毒だがココに勝者のルールが存在するのだ。そして、
今日ここでそれを肌で実感できたことは凄くいい経験になった。

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